解雇に関するトラブル

就業規則事例

就業規則条文例
(懲戒解雇)
第○条 
2.従業員が、次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇する。
①正当な理由なく無断欠勤14日以上に及び、出勤の督促に応じないとき

落とし穴
行方不明になった従業員を解雇する場合、現実的な手続きが、かなり面倒なことになる。
トラブル事例
A社の従業員Bは、ある日突然出勤しなくなってしまった。アパートに何度電話しても出ないので、社長が、アパートに行ってみるともぬけの殻。実家に電話してみても、来てないという。社長は、しばらく様子を見ようと思い、2週間以上待ってみたが、一向に行方がわからない。代わりの従業員を雇わなければ、仕事が回らないので、仕方なく就業規則に基づく解雇手続きをしようと思ったが、相手が行方不明なので出勤の督促ができない。こういう場合どうすればよいのかわからず、仕方なく労働基準監督署に電話で相談してみた。監督署では、出勤督促の公示送達の手続きを取り、それでも出勤しないときにはじめて、解雇できる旨を説明した。もっと詳しく聞いてみると、かなり面倒で、お金もかかりそうである。社長は、頭を抱えてしまった。

※公示送達とは、裁判所の許可を取り、裁判所の掲示場にその内容を掲示し、かつ官報及び新聞紙上に掲載することです。

解説
無断欠勤の従業員に対する措置を就業規則に定める場合、2つの方法があります。今回のケースともう一つは、「2週間以上無断欠勤した場合は、退職扱いとする。」というように、一定期間が経過したら労働契約が終了する規定を設ける方法です。今回も、このように、就業規則の退職規定に入れておけば、公示送達の問題は、発生しないで、スムーズに退職手続きができたはずです。この場合、退職の事実を家族及び届け先住所へ、郵送により通知する旨を定めておけば、なお良いでしょう。

 

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