無断遅刻、欠勤など勤務態度が悪い人がいる…
うつ病などを理由に、会社を休みがちな人がいる…
従業員が給与や昇給の決め方に不満を持っているかも…
残業代の明確な規定がない…
ハラスメント対策をしていない…
10年以上前に作った就業規則がそのままになっている…
これらは実はすべて、トラブルの芽。
今はほんの小さな芽だとしても、
そのまま放置していると危険です。
昔からサボりなどのいわゆる「問題社員」の存在はありましたが、年々トラブルも複雑化しています。
たとえば…
など、ひと昔前までは議論にも上がらなかったトラブルの種が、今では「会社のリスク」として確かに存在しているのです。
また、近年の法改正により
【働き方改革】【改正育児・介護休業法】
…などに対応した就業規則の改定も必要です。
就業規則を整えておくことで、会社にとって有利な助成金の取得という道が拓けてくることも。
就業規則づくりは「小さい会社だから自分には関係ない」と見過ごせるテーマではないのです。
- 「今は特に問題が起きていないから…」
- 「他の業務で忙しいから…」
- 「就業規則を作っても、売上があがるわけじゃないし…」
といった理由で、就業規則づくりは後回しにされがちな課題です。
しかし、実は、就業規則は会社を守るためには待ったなしで必要なモノなのです。
もしもトラブルが起きたら…?
不測の事態でもし社員と争うようなことになれば、弁護士が必要になります。
ひとたびトラブルが生じてしまうと莫大なお金がかかり、時間も割かなければなりません。
業務に差支えが出るのはもちろん、精神的にもツライものがありますよね。また、連鎖的に同じような訴えをする社員が出る、退職者が増えるなど二次的な問題が発生することも。
重大な問題に発展する前に、
トラブル予防のための就業規則対策をはじめませんか?
就業規則を簡単に作ろうと思って、ネットで検索すると「それらしいもの」が見つかると思います。
ですが、似た業種の就業規則を真似して自作すればいいや…と安易に就業規則を作ると、
1.現実に即していなかったり
2.あなたの会社の実態に合っていなかったり
するために、かえって自分の首を絞めてしまうことにも繋がりかねません。
よくあるモデル就業規則で
失敗したトラブル事例5選
社員がロクな引継ぎもせずに急に辞めてしまった
法的には退職は2週間前に言えば問題はないため、業務に支障があっても会社として文句は言えません。(最近は、退職代行会社も存在する)
しかも、退職の意思を伝えた後、「有休が残っているので消化します」と言って会社に来ないなど、困った社員もいます。
もし、しっかり作成した就業規則があれば…
たとえば業務に差支えがないよう、きちんと後任に引継ぎをしない場合は、退職金の減額をする旨を明文化することで、適当な幕引きをしようとする社員を抑制することに繋がります。
自己都合退職?解雇?
パワハラ・セクハラ・横領などトラブルを起こしたせいで「辞めさせられた」のか、自主的に「辞めた」のかなど、本人と会社で認識が異なる場合、退職金の額などを巡り後々トラブルになることがあります。
もし、しっかり作成した就業規則があれば…
細かく規定しておくことで、明確な判断基準を持つことができます。懲罰規定を作ることは、モラルの低い社員を排除し、他の社員も魔が差すことがないよう抑止力としても働きます。ハラスメント問題は、規定を作るだけでなく、相談窓口を設けることも必要です。正しく運用できるようにしましょう。
残業代の未払い請求
「残業」に関する認識に会社と社員で違いがあると、未払いの訴えを起こされることがあります。たとえば…
【ケース1】
辞める時になって「毎日就業時間より30分早く来て仕事をしていたから、その分の残業を払ってほしい」と早朝の時間外労働代を請求された。会社としては、自主的に早く来て仕事の準備をしていた…と解釈していたため、トラブルに。
【ケース2】
「夜22時まで会社に居たので残業代を払ってほしい」と言ってきて、タイムカードを見ると確かに毎日22時まで会社にはいたが、実際はネットサーフィンに興じていた。
「就業」、「残業」といった定義が曖昧であったために、会社が訴えに応じなければならず、損をした…という事例がよくあります。残業代の請求は過去3年分まで遡ることができるため、注意が必要です。
もし、しっかり作成した就業規則があれば…
残業時間に制限を設ける、残業の必要がある場合は事前に上長に申告を要するなど、現場に合った規定を作っておくことで、社員の働きすぎを防いで体調管理に努めるとともに、ムダな残業を排除して効率的な経営に繋げることができます。明確な基準があれば、働いているフリをして残業代をもらおうという社員を排除することもでき、トラブル回避に繋がります。
うつによる長すぎる休職期間
身体のケガや病気はもちろん、最近は残念ながら心の病を理由にした休職をする人も多いです。
そこで、ひな型通り「休職期間は最長6ヶ月まで」と規定したところ、期限を迎えるギリギリに出社し、数日来てまた休職する…という社員が発生。休職中は会社が社会保険の負担をしなければなりません。
また、休職期間が明けるからと無理して出社してすぐ体調を崩す人が出たり、半年以上治療期間を要すけれど、優秀なので引き留めておきたい人材がいても休職期間の延長ができなかったり…など、制度としての使いにくさがあるのです。
もし、しっかり作成した就業規則があれば…
- 同一事由による再休職や長期欠勤の場合は、休職期間に通算する
- 休職から復帰する際には、医師の診断書を要する
- 正当な事由に限り、休職期間の延長ができる
といった内容の条項を入れておくことで、会社の実態に合った運用が可能になります。特に医師の診断書は、規定がないと提出を求めることは難しいので注意。
トラブルメーカー
後々、問題社員の存在が発覚しても、規定がなければ罰を与えたり、辞めさせたりすることができません。
【ケース1】
学歴や職歴の詐称や、前職を辞めた理由を「自己都合」としていたが、実は辞めさせられていた…など、採用時についた嘘が後々発覚した。
【ケース2】
真面目だと思っていた社員が、実はネットで会社の情報を外部に漏洩していたり、誹謗中傷をしたりなど、会社にとって不利益に繋がる行動をしていた。
もし、しっかり作成した就業規則があれば…
虚偽の申告や業務上横領、背任行為はもちろんのこと、ネットを使ったいたずらなど昔は想定していなかった行為に対してもきちんと処遇を決めておくことで、会社のリスクを減らすことができます。